手術する前の体力には戻らないにしても、身体を動かせる領域が狭くなったにしても、仕事を長時間続ける根気が、以前より無くなったにしても、天気によって体調が極端に違うにしても、食事に時間がかかるにしても、食べられるものが限られてしまうにしても、そういった物理的な不自由さなど、まったく問題にならない位、心が豊かになりました。癌が発覚する前の最悪だった自分を思い出すと、とても恐ろしい気がします。

今は毎日が幸せで、何気ない小さなことに心が大きく動いて感動出来るのです。人の気持ちが嬉しくて、人と共に過ごす時間が楽しくて、一人でいる時の淋しさも心地良くて、淋しいと素直に泣ける自分が愛おしくて

朝起きた瞬間から夜寝るまでの間に、感動出来る時間が沢山増えたこと。笑える時間が沢山増えたこと。寝床に着くと次の瞬間に朝になってしまう位気持ちよく熟睡出来ること。自分があんまり馬鹿で可笑しくって、一呼吸一呼吸が愛おしくて、目を閉じるとジワーッと目頭が熱くなるような毎日です。
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